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人質交換を託された女
第15章 命脈
それからは可能な限り順を追って、詳細に起きた出来事を、見たものを、感じたものを女性カウンセラーにゆっくりとした口調で伝えていた。
彼女の脚の上に置かれた、真っ白なバインダーノートに青色のインクで記録が残されていく。それは彼女が私の言葉を漏れなく、忘れないようにするためのメモだった。私にとっては早く忘れたい記憶でもあった。
自身の体験した出来事を話していく内に、私はソファから体を起こし、両腕で胸を護るような仕草をしていた。羽織っていたカーデガンが腕から落ちても気にしなかった。二の腕には縄で縛られた痕がまだ残っていた。
「あなたが強い罪悪感に苛まれることはないのよ…あなたは恐怖反応で抵抗できない状況にあったの…性的に興奮してしまったと思うのは誤認だから…体の防衛機構が働いたの…」
彼女の脚の上に置かれた、真っ白なバインダーノートに青色のインクで記録が残されていく。それは彼女が私の言葉を漏れなく、忘れないようにするためのメモだった。私にとっては早く忘れたい記憶でもあった。
自身の体験した出来事を話していく内に、私はソファから体を起こし、両腕で胸を護るような仕草をしていた。羽織っていたカーデガンが腕から落ちても気にしなかった。二の腕には縄で縛られた痕がまだ残っていた。
「あなたが強い罪悪感に苛まれることはないのよ…あなたは恐怖反応で抵抗できない状況にあったの…性的に興奮してしまったと思うのは誤認だから…体の防衛機構が働いたの…」