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人質交換を託された女
第18章 炎の誓い
彼の背後にはベッド袖のテーブルが見えた。その小さな丸いテーブルの上には、アロマキャンドルが置いてあった。その手前には縄の束が2つ、それぞれが寄り添うように置かれていた。

縄の存在と、2つの束の位置関係に気付き、「ハッ…」と声を出し、体を揺らしてしまう。

グラスの中の蝋(ろう)は半分くらい残っていて、使いかけのものだった。キャンドルに小さな炎の柱が立ち、部屋をおぼろげに照らし、心地の良い香りも広がっていた。

彼が私に背を向けるように、手を伸ばし、縄束2つを手にした。そして私に近付いてくる。

「ハァッ…」と声を出し、背を反らせた時、彼の両腕が私のお腹に絡まって抱き寄せられていた。
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