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人質交換を託された女
第3章 人質+1
「私は警察官です…」
と声帯を震わせて音を発した。先程と同じように女性たちが頷いていた。何人かの女性の目が失望を現していた。なぜ警察官のあなたが捕まってしまったのですか…そういう気持ちが感じ取れる目だった。

「解けますか…?」
と続けて尋ねてみた。

彼女たちの答えは首を横に振るだけで無言だった。体を揺らし、天を仰ぎ、首を振り、不安と恐怖を抱えた人質にこれ以上の不安要素は不必要だった。警察官の私が他の行員と同じ扱いを受けている状況では、彼女たちに『安心して…』とは言えなかった。皆がこの状況を悪い方向にしか考えられない。
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