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人質交換を託された女
第4章 交渉
「大丈夫か…状況を教えてくれ…」
私はリーダーの男を見上げ、顔色を窺(うかが)った。男の手のひらは電話機の方にゆっくりと伸び、「どうぞ」というジェスチャーに解釈できた。
「10名の人質と…私は無事です…状況は…」
言葉が詰まってうまく声が出なかった。感情が一気にこみ上げてくる。感情が話すスピードを上げた。
「私の身柄は彼らに拘束されています…手足を縛られました…身動きできない状況です…先程まで口にテープが貼られ、話すこともできませんでした…彼らにテープを剝がしてもらわない限り、私は話すことができません…交渉もできません…今では私も彼らの監視下にあって…囚われの身となり…何もできません…」
私はリーダーの男を見上げ、顔色を窺(うかが)った。男の手のひらは電話機の方にゆっくりと伸び、「どうぞ」というジェスチャーに解釈できた。
「10名の人質と…私は無事です…状況は…」
言葉が詰まってうまく声が出なかった。感情が一気にこみ上げてくる。感情が話すスピードを上げた。
「私の身柄は彼らに拘束されています…手足を縛られました…身動きできない状況です…先程まで口にテープが貼られ、話すこともできませんでした…彼らにテープを剝がしてもらわない限り、私は話すことができません…交渉もできません…今では私も彼らの監視下にあって…囚われの身となり…何もできません…」