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人質交換を託された女
第4章 交渉
「では、その前に人質を…」
本部と男の声が互いの苛立ちを現すように交錯する。側にいた男の意思が勝っていた。そしてそのまま話し続けた。
「先程も言ったように…我々の要求が吞めない場合は…金庫の扉を閉じる…」
男が続ける
「金庫の換気エアーダクトを止めたら…どうなる…」
私の体は驚いて前に動こうとしていた。そんなことをしたら酸素がなくなって…という気持ちで胸がはち切れそうになった。
リーダーが電話機のボタンを押して、交渉が打ち切られた。