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人質交換を託された女
第1章 大役
銀行の表側はシャッターが下りており、私は犯人に指定された銀行の裏口、非常出入口に向かって歩く。黒のスカートスーツに身を包み、靴の音だけが薄暗い通路に響く。
真っ黒の金属扉をコンコンとノックする。すると施錠解除の機械的な音が聞こえ、扉が開いた。
男の冷静な声が、扉の開いた隙間からした。
「中に入れ」
扉はゆっくりと一人が入れるスペースで開かれた。それは男の警戒心を表しているようだった。中を除けば、男が体で扉を支え、私に拳銃を向けていた。
私はすぐさま反射的に両手を上げて中に入る。
拳銃は軽量樹脂製の物に見え、モデルガンなのか本物なのか、見分けがつかなかった。もし本物であれば、私は武器を持たず丸腰で中に招き入れられたことになる。私は歓迎される人物か、そうでないかはもうすぐ分かるはずだった。
銃口の指し示す方向に、両手を上げたまま進み、男が背後から歩いてくる。薄暗い廊下を抜け、銀行の事務スペースが見えてくる。
真っ黒の金属扉をコンコンとノックする。すると施錠解除の機械的な音が聞こえ、扉が開いた。
男の冷静な声が、扉の開いた隙間からした。
「中に入れ」
扉はゆっくりと一人が入れるスペースで開かれた。それは男の警戒心を表しているようだった。中を除けば、男が体で扉を支え、私に拳銃を向けていた。
私はすぐさま反射的に両手を上げて中に入る。
拳銃は軽量樹脂製の物に見え、モデルガンなのか本物なのか、見分けがつかなかった。もし本物であれば、私は武器を持たず丸腰で中に招き入れられたことになる。私は歓迎される人物か、そうでないかはもうすぐ分かるはずだった。
銃口の指し示す方向に、両手を上げたまま進み、男が背後から歩いてくる。薄暗い廊下を抜け、銀行の事務スペースが見えてくる。