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人質交換を託された女
第5章 積み上げれた賭け金
銃口がこちらを向いていた。
「どうも気になることがあってね…」
フェイスマスク越しの鋭い眼光が私を見つめてくる。その口調は穏やかだった。
「私なら…あなたがここに来る役目は一つだ…あいつらの目となり耳となることだ…」
男は腰を落とし、私と目線を合わせる。私のできることと言えば目で会話するしかない。だから平静を装い、穏やかな目で相手を見つめた。
「ロープを解いてやれ…上だけだ…足は解くな…」
背後から近付いた男が胴体のロープ、手首のロープを解いていく。上半身だけ拘束が解け、鼻から安堵の息を漏らす。手のひらで腕を摩った。とっさに口の粘着テープを外そうとした。
「どうも気になることがあってね…」
フェイスマスク越しの鋭い眼光が私を見つめてくる。その口調は穏やかだった。
「私なら…あなたがここに来る役目は一つだ…あいつらの目となり耳となることだ…」
男は腰を落とし、私と目線を合わせる。私のできることと言えば目で会話するしかない。だから平静を装い、穏やかな目で相手を見つめた。
「ロープを解いてやれ…上だけだ…足は解くな…」
背後から近付いた男が胴体のロープ、手首のロープを解いていく。上半身だけ拘束が解け、鼻から安堵の息を漏らす。手のひらで腕を摩った。とっさに口の粘着テープを外そうとした。