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人質交換を託された女
第1章 大役
急ぎ左右を目視し、言葉を失う。いるはずの女性行員10名の姿がどこにも見えない。他の犯人たちが見当たらない。利用客スペースの椅子にも、窓口にも人気がない。事務スペース一面に散らばった書類に注意が向く。襲撃された時の様子が、そのままに残っていた。
机は会議室のように、奥が上座の『コの字』レイアウトになっていた。おそらく彼らがこのように変えたはずだった。このまま前に進むしかなかった。
奥の上座の方に進むと、外側をぐるりと机に包囲され、行動範囲が制限されたことを悟った。背後から足音がし、全身黒の服を着た男たち3人が現れ、私の左右、背後に立ち、逃げ道を断たれてしまう。
机は会議室のように、奥が上座の『コの字』レイアウトになっていた。おそらく彼らがこのように変えたはずだった。このまま前に進むしかなかった。
奥の上座の方に進むと、外側をぐるりと机に包囲され、行動範囲が制限されたことを悟った。背後から足音がし、全身黒の服を着た男たち3人が現れ、私の左右、背後に立ち、逃げ道を断たれてしまう。