この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
人質交換を託された女
第6章 A Lucky Winner
椅子が前に進むと、彼女たちは私がジャケットを脱がされ、白いシャツの上から縛られていることに気付いたようだった。目には動揺が見られた。
リーダーの男が私の前に進み、女性たちに緊張が走る。俯(うつむ)く女性は誰もいなかった。
男が張りつめた空気を変えるように、言葉を発する。
「誰か…1人…私たちの手伝いをしてほしい…ボランティア…有志者はいないか…」
女性たちは全員、男を見つめ、誰も頷かなかった。頷くどころか、悪い予感に目立つ動きを避け、息を潜めているようだった。
男は「まあ、そうだろうな…」と言うと、手に持っていた布袋を行員に見せる。そして巾着を解き、私の太ももの上に中身を落としていく。その中身が気になり、慌てて視線を落としていく。
それは小さなプラスチックの形状だった。とても軽く、裏にはピンがついていた。表には人の名前が書かれているようだった。すぐに目で個数を数えると、10個だった。女性行員に視線を急ぎ向けた。胸元にあるはずのネームプレートが付いていなかった。私はそっと足元に置かれたものを見つめてしまう。この男は何をするつもりなの…背中に寒気が襲ってくる。
リーダーの男が私の前に進み、女性たちに緊張が走る。俯(うつむ)く女性は誰もいなかった。
男が張りつめた空気を変えるように、言葉を発する。
「誰か…1人…私たちの手伝いをしてほしい…ボランティア…有志者はいないか…」
女性たちは全員、男を見つめ、誰も頷かなかった。頷くどころか、悪い予感に目立つ動きを避け、息を潜めているようだった。
男は「まあ、そうだろうな…」と言うと、手に持っていた布袋を行員に見せる。そして巾着を解き、私の太ももの上に中身を落としていく。その中身が気になり、慌てて視線を落としていく。
それは小さなプラスチックの形状だった。とても軽く、裏にはピンがついていた。表には人の名前が書かれているようだった。すぐに目で個数を数えると、10個だった。女性行員に視線を急ぎ向けた。胸元にあるはずのネームプレートが付いていなかった。私はそっと足元に置かれたものを見つめてしまう。この男は何をするつもりなの…背中に寒気が襲ってくる。