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人質交換を託された女
第6章 A Lucky Winner
彼女たちは私の縛られた後ろ姿が見えたはずだった。足首、太ももはピタリと揃えられ、歩くことが困難な姿だった。腕は後ろで窮屈に縛られ、その姿勢が維持されたまま、ロープが念入りに巻かれ、体の要所に鍵を掛けられているようだった、どれだけ体の自由を奪われたか、見れば明らかだったはずだ。

服に全くのゆとりがない、手足を動かせない、自分の肉体という手狭なスペースに抑圧され、強固なロープで縛られた肉体。その犯人たちの思いどおりにされ、支配下に置かれた後ろ姿は、きっと絶望を背負うような、肩を落とした、力のない姿に見えたはずだ。

この人たちを助けたくて、犯人たちの巣に単身飛び込み、心が折れてしまうほどの、音(ね)を上げてしまうほどの厳しい拘束をされ、全く抵抗ができず、成す術がない「虜(とりこ)としての姿を彼女たちに見せるのは辛かった。

彼女たちの頼みの綱である『新入り』が、彼らの糸にからめ捕られ、どんな扱いを受けているのか、それがどんな意味を持つのか、「ンンッ…」という声から伝わってきて辛かった。
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