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人質交換を託された女
第6章 A Lucky Winner
たとえ初期の段階で、私が縛られるのを拒み、自由な身のこなしができ、女性行員との交換条件を提示しても、彼女たちの命を眼前で盾にされ、不利な状況で身柄を拘束されることを選んでいただろう。
そんなことを考え、体を動かしていたら、佐伯さんと補佐役の男が金庫室に戻ってきた。
リーダーの男は私の体をうつ伏せのまま、床を滑らせて手繰り寄せる。無力感に心を震わしていると、何かが首元に巻かれ、「ンンッ…」と驚きのあまり、声を漏らしてしまう。
鼻に届いた女性らしい香りで、それが行員のスカーフだと気付くことができた。先程の行員の姿はなく、佐伯さんが次の女性のところに向かっていた。
リーダーの男に差し出されたスカーフは、あの女性が休憩を終え、この銀行内のどこかに監禁されているということだった。しかも、どこに連れて行かれたのかも分からない。そして次の行員が条件付きの解放を得て、この場を離れていく。
そんなことを考え、体を動かしていたら、佐伯さんと補佐役の男が金庫室に戻ってきた。
リーダーの男は私の体をうつ伏せのまま、床を滑らせて手繰り寄せる。無力感に心を震わしていると、何かが首元に巻かれ、「ンンッ…」と驚きのあまり、声を漏らしてしまう。
鼻に届いた女性らしい香りで、それが行員のスカーフだと気付くことができた。先程の行員の姿はなく、佐伯さんが次の女性のところに向かっていた。
リーダーの男に差し出されたスカーフは、あの女性が休憩を終え、この銀行内のどこかに監禁されているということだった。しかも、どこに連れて行かれたのかも分からない。そして次の行員が条件付きの解放を得て、この場を離れていく。