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人質交換を託された女
第1章 大役
私は呼吸が苦しくなり、肩で息をし、両手を上げたまま、その場から動けなかった。
「どうした…座らないのか…」と目の前の男に催促される。
ゆっくりと、ゆっくりと、前後左右の男たちを観察しながら、肘置きのないオフィスチェアに腰をおろす。椅子の座高は、座ると足元が浮いてしまうほど高かった。悪い予感に息を止めたくなる。
上座の男が銃口をこちらに向けたまま、私の方に近付く。
「こちらの要求どおり、警察はあなたを我々に送った…ようやく警察が我々の要求に応えてくれた…」
私は男の言う『こちらの要求どおり』という言葉が腑に落ちなかった。本部の決定と聞かされていた。
「どうした…座らないのか…」と目の前の男に催促される。
ゆっくりと、ゆっくりと、前後左右の男たちを観察しながら、肘置きのないオフィスチェアに腰をおろす。椅子の座高は、座ると足元が浮いてしまうほど高かった。悪い予感に息を止めたくなる。
上座の男が銃口をこちらに向けたまま、私の方に近付く。
「こちらの要求どおり、警察はあなたを我々に送った…ようやく警察が我々の要求に応えてくれた…」
私は男の言う『こちらの要求どおり』という言葉が腑に落ちなかった。本部の決定と聞かされていた。