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第2章 体験入店

｢もう奥底にしまい込むのは止めるんでしょう？｣
彼女の言葉は力強かった。
｢は…はい…｣と私の声は小さかった。
｢自分の心と向き合うんじゃなかったの？｣
｢はい…｣と徐々に私の声にも力が入ってくる。

｢ジュンさんが中でお待ちよ｣
｢はい｣
私は呼吸が整い、体の震えも止まった。優季さんの手が二の腕から離れていく。
｢準備はいい？｣

私は振り向いて優季さんに伝えた。
｢はい。優季さん、真琴って名前…付けてくれてありがとう｣

カチャと扉ロックが外れる音がした。私は扉を開け部屋に入った。目の前にはソファーに座る男性がいた。扉が背後で静かに閉まり、カシャと施錠音が聞こえた。

男性が立ち上がる。
｢はじめまして。ジュンといいます。真琴さんですか？｣

私も部屋の入り口に立ち止まり、｢はい、真琴です。はじめまして｣と挨拶を交わす。