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愛欲と追憶の日々
第5章 土曜日
青椒肉絲の材料をカットし始める。
ピーマン、赤ピーマン、筍を千切りにする。
牛肉は細切りにしてボウルに入れ、塩、コショウ、酒、チューブのニンニクを入れて良く混ぜ合わせ、そこに片栗粉を入れ、全体に良くまぶしておく。
フライパンにゴマ油を入れて、中火で熱して片栗粉でまぶした牛肉の細切りを入れてほぐしながら炒める。
牛肉に火が通ったら、ピーマン、筍を入れてしんなりするまで中火で炒めてゆく。
オイスターソース、酒、醤油、砂糖、鶏ガラスープの素を加えて中火で炒め合わせ、全体に味がなじんできたら火から下ろして器に盛り出来上がる。
次は、サンマの塩焼きだった。
だが、塩焼きは焼き立てが美味しいと思っていたので下ごしらえだけすることにしたのだ。
私は、サンマのはらわたが苦手だった。
なので、サンマを焼くときははらわたは取り出しておく。
そこに塩を適量振り掛けて、パッドに乗せてラップをかけ、冷蔵庫に入れた。
時刻はすでに夜の8時を過ぎていた。
だが、タカシはやって来なかった。
タカシはその頃、居酒屋みゆきにいたのだ。
そこで、常連客と毎晩賭け麻雀をするのがいつもの事だった。
そんな事を知らずに、私はタカシが来るのを待っていた。
時計の針は夜の9時を過ぎても10時を過ぎてもタカシが来る気配を感じさせなかった。
私は、日にちを間違えたのではないかと思いカレンダーを見直していたのだ。
やはり、今日は土曜日である。
日にちは間違えていなかった。