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愛欲と追憶の日々
第7章 前夫
「いや、折り畳み自転車買ったから、それで真帆の家まで行くから大丈夫だよ…」
そんな、返事が返って来たのだ。
迎えに行かないのであれば私は楽に鍋の用意ができると思っていた。
「じゃ、6時に待ってるから…」
「分かったよ…」
そんなLINEのやり取りがあり、土曜日の夜に翔が我が家に来ることになった。
私は土曜日の朝10時にまた近所にある激安スーパーまで車で買い物に出掛けた。
スーパーは相変わらず混雑が酷かった。
私は、またカートを押して食材を見て回った。
白菜、春菊、長ネギ、しめじ、えのき、豆腐、鶏肉、鶏手羽先、ポン酢を順番にカートに入れていく。
翔は何故だかお鍋に入っている春菊が大好きだった。
なので、お鍋には春菊は欠かせなかったのだ。
続いて、アルコール売り場に寄って、焼酎1.8Lを1本入れた。
氷も買わなくてはいけなかった。
アイスコーナーに行って1kgのアイスをカートに入れる。
翔は来ると言ったら必ず私の家に来た。
タカシとはそこのところが全く違うのだと思っていた。
買い物をし終わって、車を自宅へと走らせた。
いつもの様に、私の車のエンジン音を聞きつけると犬のマルが玄関に迎えに来てくれた。
買い物袋を持ち、ゲートを開けてキッチンへと向かう。
買ってきた食材を冷蔵庫と冷凍庫に入れた。
その後、ちょっと部屋の掃除などをして夕方になるまで過ごしていた。
夕方5時になったのでお鍋の準備に取り掛かる。