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愛欲と追憶の日々
第7章 前夫
その温泉旅行の日取りはずっと先になったのだけれど。
そんな、愉しい会話をしていくうちに段々と日は暮れてやがて夜になった。
タカシは今夜私の家に来ると言っていたが、やはり何時になってもやって来なかった。
翔は強かアルコールを飲み過ぎて酔っぱらっていた。
「翔ちゃん、今日ちゃんとマンションに帰れる?」
「うん、大丈夫だと思うよ…」
だが、翔はちっとも大丈夫ではなかった。
相当な酩酊ぶりだったのだ。
私は翔の事が心配になって来た。
そこで、私は提案したのだ。
「翔ちゃん、今夜泊って行けば?」
「え?」
「だって、凄い酔っぱらってるもの。私、心配になる…」
「なら、泊って行こうかな?」
そんな会話があり、翔は今夜私の家に泊ることになった。
寝る場所はひとつしかなかった。
私が使っているシングルベッドだが、そこに翔と一緒に寝る事になったけれど、私たちはセックスレス状態だったのでセックスをする必要はなかった。
翔はベッドに潜り込むと直ぐに深い眠りの森に入って行った。
私も、同じベッドに入り深い眠りの森に入ってゆく。
小柄な私たちはシングルベッドでも問題なく眠ることができた。
しかし、その眠りを邪魔するかのように、翌日の明け方にけたたましく我が家の玄関のチャイムが押されたのだった。