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生贄の 人妻
第16章  取り残された 夫達
1週間が過ぎ

週末から ゴールデンウィーク 麻衣が化粧台の前に座り
口紅を引いた唇を動かして 馴染ませながら
拓哉を切れ長の目で見つめ 頷くと立ち上がり
光沢の有る深紅の上下で拓哉に歩み寄り 行ってくるね
耳元で囁き 黒いノースリーブのワンピースに
金色のネックレスをアクセントにして 薄い黄色の
カーディガンを羽織ると玄関を出ていった

拓哉も借りてきたワンボックスに乗り 小島の
マンションの傍のコインパーキングに車を止めて
小島の部屋を訪ねた チャイムを鳴らすとドアが開き

香織が笑顔で迎え 拓哉が

「 皆は? 」 

「 和島さん お部屋で 他の人はまだ・・・ 」

「 電話は? 」
香織は首を振り 拓哉はリビングに入って
和島に軽く会釈をして ソファーに腰かけ
香織の出して来た 紅茶を受け取り 頭を下げた

チャイムが鳴り 香織が玄関に向かい 足音と
香織が携帯を耳に当てて

「 うん 判った 皆居るわよ じゃあね 」
携帯を切って 不安そうに 拓哉を見て来る

「 大丈夫ですよ 森はどうせ ワインを抱えてきますから
  グラスの底に これを入れて 森の前に出せば
  15分位で 眠りますから ワイン飲んだ後
  少し キッチンに逃げて どうせ 奥さんを
  横に座らせろと 言ってきて 奥さんの足を
  触ろうとしてくるから ちょっと 太腿触らせて
  上げてください 」
香織はそれを聞くと 

「 ゴメンナサイ 」
寝室に走り込み 白いジーンズを履いて
出てきた

窓の外に見えていた 建物が消え 建物の中の
光が見えた頃 チャイムが鳴り 4人の男達は
当てがわれた 寝室に入ると 小島と森の会話を
息を押さえ聞き続け その時を待ち続けていた 
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