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生贄の 人妻
第3章  森の部屋へ
拓哉のいない部屋へ戻り ソファーに座り 
お気に入りのティーカップに入れた 紅茶を一口飲んで 
大きな溜息を吐きだして リビングを見渡した

たった二日 空けていた部屋は 
他人の部屋の様に 冷たく麻衣を迎え入れ
見慣れた調度品も 二人で選んで 壁に飾った版画も 
何処か他人の部屋へ 入った様に感じてしまう

麻衣は 普段着に着替えて掃除を始め 夕飯を用意して拓哉を待った
7時過ぎ 憔悴した顔で拓哉が 
部屋へ入って 麻衣を悲しそうな顔で見て

「 お帰り 」
小さく言うと テーブルに座って

「 美味しそうだね 」
泣き笑いを浮かべ 麻衣を見ない様 
テーブルに有る料理を 見つめて座ると
二人は 無言のままの食事が終り
麻衣がキッチンで片付けを終わらせ 拓哉の前に座り

「 昨日 スーツを買ったの 」
拓哉が悲しそうに顔を上げた

「 部長が 出張に同行しろと言うのよ 」
少し強く言うと 拓哉は 深い溜息を吐きだして

「 木曜に 言われた 」
諦めた様に 呟いた

「 行く前に 何で言ってくれなかったの 」
拓哉の前に座って 手を握り 握った手を振り 
麻衣は涙を浮かべ 拓哉を見て抱き着いて行った
拓哉の手が 背中へ回され麻衣を強く抱きしめ

「 部長に 付いて行かないと 行けないの? 」
涙をうかべ 拓哉を見ると 悲しそうな顔で

「 ゴメン 」
耳元で 囁き 唇を重ね 柔らかく舌が 
麻衣の口の中へ 差し込まれ舌を追い始めて来た
麻衣も抱き着き 力を込め 拓哉の背中に手を回して 
舌を絡め返して 吐息を上げ

「 シャワーしようか 」
合わせた口を離して 拓哉が言う

「 私 シャワー済ませているから タックン入って来て 」
麻衣の体には 森が付けた 赤い花が 
乳房に脇腹に 太腿に咲いている
拓哉には 見られたくない 

拓哉の帰宅する前に シャワーで体を流し 
鏡に映る 白い大きな乳房に付けられた
赤い花を見て 顔を下げると 太腿にも
幾つもの赤い花が 付けられているのを見た時   
麻衣は 溜息を漏らして赤い花にお湯をかけて
指先で なぞっていた
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