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The Bitch (ザ、ビッチ)
第8章 エピローグ  『わたしの好きに...』
 7

『ねぇ早くヒールを脱がせてよ…』
 そんなストッキングラブという、フェチの昂ぶりが限界に近くなってきていた。

 そして彼の、ヒールからストッキング脚周りへの愛撫に焦れ、促す意味でも、もう片方の脚を、つまり、愛撫されていない左脚のヒールの先を…
「ああっ、ううっ」
 膝立ちの股間へと押し付ける。

「ほら早くぅ、ヒールを脱がしてぇ…」
 そんな催促の意味から、そのヒールの先で、ズボンの上からも分かるくらいにパンパンに膨らみ、張れ、固くなっているその股間を…
 押し付ける様に、擦っていく。

「あっ、うっ、ううっ」
 すると彼は、そんな感嘆の、いやまるで、感極まったかの様な喘ぎを漏らし…
 わたしの言葉に従うかの様にゆっくりと右脚のヒールを脱がしてきた。

「はん、んん…」
 今度はわたしがそんな喘ぎを漏らしてしまう。

「はぁぁ、あぁ…」
 彼はまるで神々しく、ヒールを脱がし、目の前のストッキング脚の爪先を見つめ、そして、口元へと寄せ…

 え?…

 だが彼は、そのわたしの爪先に頬ずり、唇を擦り、いや、頬ずり、擦るだけ…なのだ。

 わたしの羨望の思いの欲求であるストッキング爪先を舐め、しゃぶる…
 という愛撫はまだしてもこずにゆっくりと、脚首から脛へ、そしてまた爪先へと唇を這わせ、戻るだけで、いまだに舐め、しゃぶってはこないのである。

 世の中のストッキングフェチにとっての羨望で憧れの存在といえるこのストッキングの爪先が目の前にあれば、間違いなく嬉々として舐め、しゃぶり、愛する筈なのに…
 彼は、唇を這わすだけなのだ。

 な、なんで?
 いや、もしかして、まだ、焦らしてるの?…

 そんな彼の様子に更に焦れてしまい…
 股間を擦っている左脚のヒールを、催促の意味を込めてもっと強く動かしていく。

「あっ、あうっ、っうぅ…」
 すると彼はうっとりとした喘ぎを漏らしながら、下半身を、いや、股間を震わせ、いいや、ヒールの擦る動きに合わせて小刻みに昂ぶりの震えを起こしてきたのだ。

 え?、あ?…
 ち、違う…の…か?……
 わたしの心に違和感が生まれてくる。

 も、もしかしたら?…

 そしてその違和感を確かめてみようと…

 自らのストッキングの爪先を、彼の口元、唇に…
 強引に押し付けていく。

「ほらぁ、さぁ、舐めてぇ、舐めるのよ…」




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