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第2章 指南役 優季

「長さを均等にして…」
縄束が解かれる音がシュルシュルという音がすると、彼女の声は徐々に小さくなっていく。

そうジュンに指示をしている間、優季は腕を後ろに回したまま、構えを全く解かなかった。

ジュンは彼女の指示に、「はい…」と従い、縄を手で擦るようにしごいて、長さを同じに揃えていた。

「今度は…それを体の中心で…腕に縄を通して…3回…巻き付けて…」

ジュンが「はい…」と返事をし、少し前に進み、彼女の体に近付く。そっと腕に縄を巻きつけると、彼女は目を閉じて、肩の力を抜いていく。

「固結びでいいから…3回巻き付けた縄も…全部絡めて…結んで…」

彼女の指示を聞き終えない内に、ジュンは逸（はや）る気持ちを抑えられず、結び目を作って、縄を締めていた。

「んっ…」と優季から声が漏れ、彼女の体が僅かにビクッと跳ねた。
「それだと…きつすぎるから…縄と腕の隙間に指が通せるくらい…少し余裕を持たせて…」