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第2章 指南役 優季

「はい…」

「麻縄はしっかりと結び目を作れば…緩むことはないから…しっかりと結んでいいから…」

背中の方から、縄のギュッと締まる音が聞こえた。

「できた…？」とジュンに確認する。

優季は腕を少し動かした。小さな縄の輪が、細い両腕の外側をクルクルと回っていた。彼女は両腕が包まれ、緩まないよう結わえられたことを感じ取り、腕の力を抜いた。そして自ら背筋を伸ばした。

「はい…」

「縄はまだ長いでしょう…今度はそれを体の前に…胸の方に回して…」

優季は後ろに回した腕が、今では縛られ、手が使えなくなったことを実感した。だから、顎（あご）を使って体の左側を指した。