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月の裏で会いましょう-revised-
第12章 以舞の足跡
「私とは誕生日が一日違いだったの。同級生ではないけど、年齢的にはちょうど、私ぐらいの大人になっているってことね」
私が言うと、以舞はすすり泣いていた顔を上げ、私を眩しそうに見上げた。
「そうね。もう大人なのよね…」
「ええ。結婚して子供もいるかもしれない」
「そうしたら私、知らない間におばあちゃんになってるってことね」
以舞は言って、泣きながら笑った。涙を拭いた手で、私の腕をつかみ、うつむいたまま私の胸に顔を預けた。