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月の裏で会いましょう-revised-
第19章 目覚め
またその気配が蘇った。私の中で、いつかの記憶がむっくりと姿を現したのだとわかった。
兄の陸翔が違づいてきて、私の体をまさぐる記憶だった。私は体を硬直させた。
汗が流れ出て、体が寒気で震える。記憶は生々しく私の肌をなぞるようによみがえった。ぬるぬるした感触、獣のようなおそろしい呼吸音、強引に分け入ってくる痛み。
跳ね上がるようにベッドから起き、カーテンを開けた。
ふと玄関先を見下ろすと、誰かが手を振っている。笑顔の女性だった。
兄の陸翔が違づいてきて、私の体をまさぐる記憶だった。私は体を硬直させた。
汗が流れ出て、体が寒気で震える。記憶は生々しく私の肌をなぞるようによみがえった。ぬるぬるした感触、獣のようなおそろしい呼吸音、強引に分け入ってくる痛み。
跳ね上がるようにベッドから起き、カーテンを開けた。
ふと玄関先を見下ろすと、誰かが手を振っている。笑顔の女性だった。