この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
月の裏で会いましょう-revised-
第20章 月の裏側へ(1)
陸翔が背中をむけ、一瞬私の方を振り返ると、部屋を出ていった。
その背中は、女に拒絶された男のそれだった。
「俺ではダメで、あいつとならいいなんて」
陸翔はそう言い捨てて立ち去っていった。なんのことかと訪ねようとしたけど、一刻も早く立ち去ってほしかった。
───あの出来事は、思い出してはいけない。
心の奥に閉じ込められた過去の自分が、そう叫んでいる気がした。あれは陸翔が一方的にした事で、私が望んでいたことではなかった。
そのことが、今の私にもありありとわかった。
その背中は、女に拒絶された男のそれだった。
「俺ではダメで、あいつとならいいなんて」
陸翔はそう言い捨てて立ち去っていった。なんのことかと訪ねようとしたけど、一刻も早く立ち去ってほしかった。
───あの出来事は、思い出してはいけない。
心の奥に閉じ込められた過去の自分が、そう叫んでいる気がした。あれは陸翔が一方的にした事で、私が望んでいたことではなかった。
そのことが、今の私にもありありとわかった。