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一夜限りでは終わりたくない
第1章 一夜限りの関係
「お前は俺の女をことごとく奪っていくんだよな」
「俺はお前の女なんて興味はない」
高柳は呆れたように手を広げて見せた。
「その無自覚が残酷だよな…皆がお前に夢中になるが、お前は誰にも興味を示さない。」
「高柳、お前は俺たちが学生の頃に呼ばれた政財界のパーティーでも、年上のマダムを誘惑して問題になっていたな…未だに懲りない男だ。」
政財界のパーティーに学生時代に呼ばれるとはどういう事なのだろう。
この二人は何者なのだろうか。
さらに藤堂副社長は厳しい眼で高柳を睨んだ。
「そんな昔のことはどうでもいいが、俺への嫌がらせの為にうちの社員を泣かすとは、許せないな…後で必ず後悔させてやるからな。覚えておけ。」
「おーーー恐い恐い」
高柳はふざけて居るが、藤堂副社長は鋭い眼差しを緩めることなく真剣な顔をしている。