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一夜限りでは終わりたくない
第2章 曖昧な関係
食事を済ませた私は部屋で寛いでいた。
部屋着もロングドレス風の可愛いワンピースを用意してもらったのだ。
部屋着まで用意してくれるなんて、申し訳なく思ってしまう。
少しして、正面のドアをノックする音が聞こえた。
「…はい。なんでしょうか。」
私がドアをあけると、そこにいたのは藤堂副社長だった。
「お…お疲れ様です。」
藤堂副社長は私の服を見て口角を上げた。
「牧野に頼んで正解だな、すごく可愛い。」
藤堂副社長は、さらりと可愛いと言っているが、その言葉で急に顔が熱くなる。
もちろん、私ではなく、部屋着が可愛いのはわかっている。
「あの…藤堂副社長、こんなにたくさん服を頂いて、私どうしたらよいのか…一度では無理なので、少しずつお支払します。ありがとうございます。」
すると藤堂副社長は小さくふっと笑みを浮かべた。
「君からお金をもらうつもりはない。俺の勝手なプレゼントだ受け取ってくれ。」
「…」
私が何と応えれば良いのか分からず、言葉につまっていると、急に私の頭に手を優しく置いた。
「遠慮する必要はない。…それより、牧野に何かされなかったか?あいつはセンスは良いが、女に手が早い。女装が趣味だが中身は危ない狼だからな。」