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一夜限りでは終わりたくない
第2章 曖昧な関係
ベッドに入って目を閉じるが、なかなか眠ることができなかった。
変に目が冴えてしまい、いろいろな事が思い出されて頭の中を回るようだった。
考えてみたら、同棲中の亮が浮気をしている現場を目撃してから、私の世界は一変した。
亮のことは許せないが、今となっては別れてよかったと思っている。
一緒に住んでいても、本性はなかなか見抜けないものだ。
分かっただけでも良かったと思うことにした。
しかし、そう思えるのも、あの夜に翔也に出会ったからなのだろう。
あの日私は自暴自棄になっていて、自分を抱いてくれと翔也に言ったのだ。
なんという事を言ってしまったのだろうと、今更ではあるが顔が熱くなる。
ただ、あの夜は自分が女であることを思い出していたのも事実だった。
亮とは抱き合っても、彼が勝手に満足して終わることばかりだった。
それが当たり前と思っていたが、あの夜は体が溶ける様な快感を思い出させてくれていたのだ。
そんなことを考えていたら、なんだか体が熱く疼いてしまっていた。