この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜限りでは終わりたくない
第1章 一夜限りの関係
その男性は少しの間沈黙して目を閉じた。
そして、なにか決断したように目を開き私を見つめた。
「本当に連れて行くぞ…俺に抱かれる覚悟はあるか?」
「も…もちろん…もうなにもかも忘れるくらいに抱きつぶして欲しい…お願い…」
男は無言で頷くと、スマートにカードを出して私の分の支払いもしてくれた。
そして、店から出るとタクシーを止めた。
「帝都グランドホテルへ行ってくれ」
不思議な事が起こっている。
この男がホテルに入っていくと、フロントは何も言わずにキーを渡した。
「いつものお部屋でよろしいでしょうか?」
フロントに支配人らしき男性が出て来て丁重に対応している。
男は慣れたように話し出した。
「あぁ…部屋はいつものスイート。ルームサービスはシャンパンとイチゴを頼む」
この男は何者だろうか、しかしその時の私にはそんなことはどうでも良かった。