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年上主義
第13章 夜の星③
もう二度とこの部屋に亜夜さんがいると言う光景は見れないだろう
お互いになんの声もかけられないのは言葉にしてしまえば慰めにしかならないのを知っているから
「…枝豆、御馳走様でした」
「いいえ」
交わしあう言葉にもう含まれた意味はない
隣りの遠い場所に帰っていく彼女に告げる『さよなら』は音にならなかった
コップに残る一口分のビールは酷く不味く
あまりの不味さに久しぶりに声をあげて泣いた
ただ苦いだけの夏の終わり
――――――――――――――end―