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第18章 優しい雨①

慌てて首を縦に降る俺に
優しく微笑む

「でも、傘は大丈夫です…佐野君のがなくなってしまうでしょう？」

「あ、良いんです！良いんです！俺、折り畳み傘あるんで！」

傘なんて入ってない
スポーツバッグを軽くあげる
いくらびしょ濡れだからって
傘をささないと
本気で風邪ひくだろう

「何から何までありがとうございます」

千衣さんは深々と頭を下げる
きっと育ちの良いお嬢さんなんだろうと
想像させる