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12歳年下の彼とGWする話
第2章 秘密の場所
『じゃあ…、巴さんは…
そうしたいって…思って無い…ですか?』
そう…こっちに…彼が問いかけて来て。
その聞き方は…狡いと…思ってしまう。
「し…したい…よ…でも…ッ、今は…」
したいって気持ちがあっても
出来ない理由を…巴が自分の言葉で
自分の口から目の前の港斗に伝える前に
グイっと…手首を彼に掴まれて
そのまま…腕を引かれて
彼の部屋を出ると…。
「ま、待って…み、港斗…君どこに……」
『本来は…そう言う事に
使う為の物じゃ…無いんですけどね…』
なら…本来はそれは…何に
使う為の物なんだろうと…
巴が思いながらも…彼に腕を
掴まれたまま家の中をズンズンと移動して。
向かった先は…家の裏手の方にある
お庭のウッドデッキの所で。
このウッドデッキなら夏場なら
ここでバーベキューできそうとか
そんな事を考えていると…。
そのウッドデッキの奥に…木の塀で
囲まれている場所があるのに気が付いた。
ウッドデッキの端からその木の塀で
囲まれている場所に入る事が出来て。
そのドアには鍵穴がある。
港斗がポケットから鍵を取り出して
そのドアの鍵を開いてその木の塀で
囲まれて外からは見えない
その場所に入る様に促して来る。
「これっ…バレルサウナ…!」
『前に小林君とエビちゃんと
一緒にスパワールド行った時に
父さんに…良かったって話したら
じゃあ…庭に置こうかなって…
設置したみたい…ですよ?』
6人ほどが一度に入れる
バレルサウナに、デッキチェアが2つ
それからその間にテーブルがあって。
水風呂をする為の木製のタライの様な
風呂があってシャワーも設置されている。
バレルサウナの場所から、ウッドデッキに
繋がるドアのカギを内側から回して
彼が締めると。この木の塀で
囲まれたこの場所は…
私と彼だけのふたりきりの場所になる。
彼が…隅に置かれている
棚から大判のバスタオルを出して来て。
今…私と彼の前にあるのは
バレルサウナだけど…、
私と彼は…ここに
サウナに入りに来たんじゃない…。
『巴さん…サウナの中…入りましょうか?』
バレルサウナの中には照明もあって、
椅子の下から…ぼんやりと中を照らしている。