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家庭教師のさよ子先生 誘惑のノースリーブ
第1章 あきとくんの中学受験 A1 つるかめ算より分かりやすい○○算
「はいっ! ではあきとくんにさよ子先生から第一の教えを授けます。よーく聞いてくださいね」
「分かりました!」
「中学受験生は学校のテストなんて毎回100点取れて当たり前です! そこがスタートラインっていうか準備体操にもなってませんっ!!」
「はうっ! そ、そんなぁ……」
「悔しいよねぇ、だってあきとくんのことをチビだって言っていじめる意地悪な同級生は100点なんて絶対取れないのに、あきとくんは100点取っても自慢できないんだもんねぇ。よしよし」
「何でぼくが学校でいじめられてるって知ってるんですか!? ちょっ、そんな恥ずかしいですよ……」

 私に現実を突きつけられて涙目になっているあきとくんの頭を右手でなでなでしてあげると彼はかわいい顔を真っ赤にして、私はそんなあきとくんを見て心の中で舌なめずりをしました。

 あきとくんは身長が小学4年生の男子にしても低くて気が弱いせいで学校でいじめられていて、塾でもいじめに遭うことを懸念した両親は私を中学受験の家庭教師として雇ったのでした。

「という訳で今日からさよ子先生と一緒に頑張ってお勉強しましょう。目指すはあの名門南東寺中学校! 今は共学だからかわいい彼女もできるかも?」
「分かりました! まず算数から教えて貰ってもいいですか?」

 あきとくんはこの4月に小学4年生になったばかりで、中学受験の勉強はまだ市販のテキストを買ったばかりだということは両親からZoom面談で聞かされていました。

 そろそろ本題に入ろうということで私は市販のテキストを開き、あきとくんに今日は算数を教えることにしました。
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