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シュガーヒル
第2章 ランドマークタワー
夫の誠一からもセックスの相手をしてもらえず、自分の年齢に絶望感を感じていた自分に、こんな言葉を掛けてくれたのだ。
例え、お世辞でも心の底から嬉しいと感じていた。
それと同時に、もっと自分に自信を持っても良いのではないか。
そう、感じ始めたのだ。
「是非、美都さんと会いたいです…来週の金曜の昼は空いてますか?ランチなんかどう?」
金曜日の昼なら別に誠一もいないので外出できるとその時私は思っていた。
しかし、とても急展開な話だとも感じていたが私はこう返した。
「ええ、大丈夫です。来週の金曜の昼ですね?」
「ええ、そうです。金曜の昼です…」
「で、どこで待ち合わせたら良いですか?」
「みなとみらいのランドマークタワーの中にあるスタージュエリーを知ってますか?」
ランドマークタワーの中にあるスタージュエリーなら私も知っていた。
迷うことなく、行けると私は思っていた。
「ええ、知っています…」
「なら、スタージュエリーの前に12時で待ち合わせはどうかな?」
別に私は構わないと思った。
「ええ、大丈夫です…」
「あぁ、良かった。それなら、金曜日の正午にそこで待っています…」
そんな、やり取りがあり、ヤマザキと実際に会う事になったのだ。
こんな急な展開に私の心は複雑だった。
誠一がいるにも関わらず、他の男と外で会うのだ。
でも、私は誠一がセックスしてくれなければ、相手を外に探すしかないと思っていた。
私は、今のこの乾ききった心と身体を満たしてくれる相手を心から求めてやまなかったのだ。
この時の私には誠一に対する罪悪感はなかった。
むしろ、セックスを求めて来ない誠一が悪いと思っていたのだ。
私は正直、セックスがしたくてたまらなかったのだった。