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シュガーヒル
第5章 シュガーヒル
六本木の駅からかなり外れたところに“シュガーヒル”と言う名のクラブがあった。
今ではとっくの昔に閉店してしまったが、ちょっとレトロ感溢れるクラブだった。
クラブの名前、シュガーヒルは直訳すると“砂糖の丘”を意味していた。
その名の通り、シュガーヒルは私にとって甘い丘だった。
そのシュガーヒルにヤマザキと良く通ったものだ。
私は、37歳と言う年齢で初めてクラブデビューをした。
クラブで遊ぶにはかなり遅い歳だと言える。
季節は寒かった2月を過ぎて暖かな桜の咲く春を迎えていた。
私の人生にも桜が咲くにはちょっと遅いが春がやって来たのだ。
そんな時、ヤマザキからLINEがきた。
「今度の金曜の夜に六本木のクラブに行かないか?」
「え?金曜の夜に?」
「そうさ、金曜の夜の六本木は最高に愉しいんだ…美都、行くだろう?」
私はちょっと迷っていた。
金曜の夜に六本木に行くなどとは夫の誠一には言えないと思ったのだ。
私は上手く嘘がつけない性格だった。
前回のバレンタインの時は上手く嘘がつけたが今回は自信がなかった。
なので、誠一にはこう話した。
「今週の金曜の夜にエリと一緒に六本木に飲みに行ってくるわ…」
「え?エリちゃんと二人で六本木に行くのか?」
「ええ、行くのよ。いいでしょう?」
「六本木なんて美都は今まで行ったことないだろう?大丈夫なのか?」
今ではとっくの昔に閉店してしまったが、ちょっとレトロ感溢れるクラブだった。
クラブの名前、シュガーヒルは直訳すると“砂糖の丘”を意味していた。
その名の通り、シュガーヒルは私にとって甘い丘だった。
そのシュガーヒルにヤマザキと良く通ったものだ。
私は、37歳と言う年齢で初めてクラブデビューをした。
クラブで遊ぶにはかなり遅い歳だと言える。
季節は寒かった2月を過ぎて暖かな桜の咲く春を迎えていた。
私の人生にも桜が咲くにはちょっと遅いが春がやって来たのだ。
そんな時、ヤマザキからLINEがきた。
「今度の金曜の夜に六本木のクラブに行かないか?」
「え?金曜の夜に?」
「そうさ、金曜の夜の六本木は最高に愉しいんだ…美都、行くだろう?」
私はちょっと迷っていた。
金曜の夜に六本木に行くなどとは夫の誠一には言えないと思ったのだ。
私は上手く嘘がつけない性格だった。
前回のバレンタインの時は上手く嘘がつけたが今回は自信がなかった。
なので、誠一にはこう話した。
「今週の金曜の夜にエリと一緒に六本木に飲みに行ってくるわ…」
「え?エリちゃんと二人で六本木に行くのか?」
「ええ、行くのよ。いいでしょう?」
「六本木なんて美都は今まで行ったことないだろう?大丈夫なのか?」