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シュガーヒル
第6章 ティファニー
「お客様はとても首が細くていらっしゃいますね。ちょっとそのサイズに合うチョーカーは当店では大変申し訳ありませんが扱っておりません…チョーカーの様なネックレスならございますが…」
女性店員は申し訳なさそうにそう答えてくれた。
私はそれを聞くととても残念に感じたが、チョーカーに似たネックレスがあるのならそれで良いと思った。
「シルバーで、石(宝石)の入っていないヘッドのチョーカーみたいなネックレスってありますか?」
私は、今度は自分でそう聞いてみたのだ。
シルバーで出来ていて、尚且つ石が入っていないシンプルなデザインのネックレスが欲しかった。
「はい、シルバーのチョーカータイプでヘッドが十字になったネックレスならございますが…」
「それ、見せてもらってもいいですか?」
「はい、もちろんです…」
そう言うと女性店員は陳列されているガラスケースからそのネックレスを取り出し見せてくれた。
そのネックレスは、シルバーで出来ていてネックレス部分は細い針金状になっていた。
ヘッドの部分は四角くなっていてその中央に十字に形がくり抜かれていた。
それを見た時、私はとても可愛いと感じ、一瞬で気に入ってしまった。
女性店員は石の入った同じデザインの物も見せてくれたが、私は石が入っていない方を選んだ。
「ヒロくん、これがいいな…」
「いいよ。美都が欲しいなら買ってあげるよ…」
そう言うと、ヤマザキは女性店員に支払いを済ませて商品を受け取ると私にブルーのティファニーと書かれた手提げ袋を手渡してくれた。
私は嬉しくて仕方がなかったのを覚えている。
その後、一緒にどこかでランチをしたのだが、どこで食べたのか覚えていなかった。