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淫夢売ります
第29章 白の花園:閉ざされた庭園

ここに入ってもいいのかしら、と思いながら、思い切って扉の取っ手に手をかけてみる。取っ手は下に押し下げるタイプだった。押し下げて引いたり押したりしてみるが、どうやら鍵がかかっているようで、開かなかった。
左右の柵はそれほど高いものではないので、中を見ることができるし、なんとなれば乗り越えることすらできそうだ。ちらっと中を伺うと、柵の向こうは洋館の庭園のようだった。そして気がつくと、いつの間にか立ち込めていた霧は晴れており、中がスッキリと見渡せた。
「すごい・・・」
そこには白い花が様々に植わっていた。どれもが花盛りだ。
春だからだろうか?
あるものは灌木に小さな白い花がこぼれるように咲いている。
そこかしこに白い花をつけたクレマチスがツタを伸ばしている。
よく手入れされた庭道の脇にはアネモネやすずらん、シロツメクサ、大ぶりの百合などが咲き誇っていた。
そして、庭園の奥、屋敷に近いあたりに大きな樹が青々とした葉を茂らせている。
あれ?
最初は特に感じなかったが、しばらく見ている内に、私はこの庭に対して強烈な違和感を覚えるようになる。なんだか不思議な庭だ。季節がバラバラ・・・とまでは言わないが、微妙に違う時期に咲く花が同時に満開になっているように見える。現実的な非現実・・・そんな印象だった。
そして、もうひとつ私の心に何か引っかかるものがあった。
私・・・ここを知っている・・・?
どこだっただろう?この庭に、ものすごく見覚えがあった。
じっと記憶を探ってみる・・・
頭の中に、断片的に浮かぶ記憶の切れ端。
フラッシュのように瞬く情景。
それをパズルのピースをかき集めるようにして、なんとか思い出そうとする。
・・・どこ?
いつのこと?
瞬間、黒い七分丈の上着に白いくまのプリント、黒のチェックのスカートを履いた7歳くらいの女の子が走っている映像が浮かぶ。
この・・・服・・・
なんか、覚えがある・・・
左右の柵はそれほど高いものではないので、中を見ることができるし、なんとなれば乗り越えることすらできそうだ。ちらっと中を伺うと、柵の向こうは洋館の庭園のようだった。そして気がつくと、いつの間にか立ち込めていた霧は晴れており、中がスッキリと見渡せた。
「すごい・・・」
そこには白い花が様々に植わっていた。どれもが花盛りだ。
春だからだろうか?
あるものは灌木に小さな白い花がこぼれるように咲いている。
そこかしこに白い花をつけたクレマチスがツタを伸ばしている。
よく手入れされた庭道の脇にはアネモネやすずらん、シロツメクサ、大ぶりの百合などが咲き誇っていた。
そして、庭園の奥、屋敷に近いあたりに大きな樹が青々とした葉を茂らせている。
あれ?
最初は特に感じなかったが、しばらく見ている内に、私はこの庭に対して強烈な違和感を覚えるようになる。なんだか不思議な庭だ。季節がバラバラ・・・とまでは言わないが、微妙に違う時期に咲く花が同時に満開になっているように見える。現実的な非現実・・・そんな印象だった。
そして、もうひとつ私の心に何か引っかかるものがあった。
私・・・ここを知っている・・・?
どこだっただろう?この庭に、ものすごく見覚えがあった。
じっと記憶を探ってみる・・・
頭の中に、断片的に浮かぶ記憶の切れ端。
フラッシュのように瞬く情景。
それをパズルのピースをかき集めるようにして、なんとか思い出そうとする。
・・・どこ?
いつのこと?
瞬間、黒い七分丈の上着に白いくまのプリント、黒のチェックのスカートを履いた7歳くらいの女の子が走っている映像が浮かぶ。
この・・・服・・・
なんか、覚えがある・・・

