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淫夢売ります
第5章 くちなしの恋:もしも私が…
私は手早く着替えると、一階に降りる。
父と母、そして、妹がすでに食卓についていた。
「おにいちゃん遅いよ」
妹の夕布が私に文句をいう。いつもなら「お姉ちゃん」と言うところだ。やはりこの夢の中では私は「最初から男」ということになっているようだ。
「レン、早く席につきなさい」
私の名前は「さざなみ」と書いて「レン」と読む。そのまま男子でもいける名前で良かった。
「はーい」
内心では慣れない自分にドキドキもしていたが、何食わぬ顔で席についた。
こうして、夢の中で私の欲望が本格的に動き出した。
☆☆☆
中学生まで私は、女性である事を後悔したことなどなかった。
よく、胸が膨らみ始めると自分の体に嫌悪感を抱くことがある、などと言われているが、そんなこともなく、女性らしい体になり、いろいろなお洋服を着ることができるのは楽しみですらあった。
でも、高校に入って、それは一変する。
ちーちゃんの存在だ。
ちーちゃん、片岡千秋が私の前に現れた。
ちーちゃんとは高校1年で同じクラスになった。比較的大人しく、あまり人と関わらないようにしている文化系の私とは対照的で、誰とでも気さくに話し、活発で、運動全般をよくこなす体育会系の女の子だった。
面倒くさいといつもショートヘアでいるが、それがとても似合っていた。
正反対の私達だが、色々話が合うところもあった。例えば、好きなスイーツが一緒だったり、おなじアイドルの話ができたり。
私達はいつしか親友と言ってもいい関係になっていた。
私は文芸部に入ったが、彼女が選んだのは、女子サッカー部。身長はクラスの女子の中でも低めだったが、運動神経は抜群だったので、あっという間にレギュラーに抜擢された。
私はちーちゃんが出る試合は全部見にいった。
応援していると、ちーちゃんはたまに私の方に手を振ってくれる。
そんなちーちゃんだったので、女の子からの人気も絶大だった。たくさんのファンがいたのである。
でも、みんな、ちーちゃんをまるで男の子のようにして見ている。
違う・・・私は知っている。
ボーイッシュな中に、女性らしい柔らかな感性があること。
時折見せる、花が咲きこぼれるような笑み。
褒めると八重歯を見せて照れて見せる、あの可愛らしい表情。
私はちーちゃんに恋をしていた。
ファンではなく、友人ではなく、恋人になりたかった。
父と母、そして、妹がすでに食卓についていた。
「おにいちゃん遅いよ」
妹の夕布が私に文句をいう。いつもなら「お姉ちゃん」と言うところだ。やはりこの夢の中では私は「最初から男」ということになっているようだ。
「レン、早く席につきなさい」
私の名前は「さざなみ」と書いて「レン」と読む。そのまま男子でもいける名前で良かった。
「はーい」
内心では慣れない自分にドキドキもしていたが、何食わぬ顔で席についた。
こうして、夢の中で私の欲望が本格的に動き出した。
☆☆☆
中学生まで私は、女性である事を後悔したことなどなかった。
よく、胸が膨らみ始めると自分の体に嫌悪感を抱くことがある、などと言われているが、そんなこともなく、女性らしい体になり、いろいろなお洋服を着ることができるのは楽しみですらあった。
でも、高校に入って、それは一変する。
ちーちゃんの存在だ。
ちーちゃん、片岡千秋が私の前に現れた。
ちーちゃんとは高校1年で同じクラスになった。比較的大人しく、あまり人と関わらないようにしている文化系の私とは対照的で、誰とでも気さくに話し、活発で、運動全般をよくこなす体育会系の女の子だった。
面倒くさいといつもショートヘアでいるが、それがとても似合っていた。
正反対の私達だが、色々話が合うところもあった。例えば、好きなスイーツが一緒だったり、おなじアイドルの話ができたり。
私達はいつしか親友と言ってもいい関係になっていた。
私は文芸部に入ったが、彼女が選んだのは、女子サッカー部。身長はクラスの女子の中でも低めだったが、運動神経は抜群だったので、あっという間にレギュラーに抜擢された。
私はちーちゃんが出る試合は全部見にいった。
応援していると、ちーちゃんはたまに私の方に手を振ってくれる。
そんなちーちゃんだったので、女の子からの人気も絶大だった。たくさんのファンがいたのである。
でも、みんな、ちーちゃんをまるで男の子のようにして見ている。
違う・・・私は知っている。
ボーイッシュな中に、女性らしい柔らかな感性があること。
時折見せる、花が咲きこぼれるような笑み。
褒めると八重歯を見せて照れて見せる、あの可愛らしい表情。
私はちーちゃんに恋をしていた。
ファンではなく、友人ではなく、恋人になりたかった。