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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第3章 弐の巻
 御帳台に満ちた沈黙に押し潰されそうになったその時、安子が唐突に口を開いた。
「確かに、あなたの言うとおりでしょうね。昨年の若宮、そして、引き続いて授かった姫宮までをも失った時、私は本当に一体、何ということだと思いました。たったひと月しか生きられなかった若宮、この世の光を見ることもなかった姫宮、代われるものならば、私が代わってやりたかった。
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