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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第4章 参の巻
 たまらなくなった公子は、両手で思いきり帝の胸を突き飛ばした。だが、華奢な公子の力ではビクともしない。帝はいっかな懲りる様子もなく、その手は腰や尻をなで回している。
「私に触らないで下さい」
 公子は毅然とした態度で言ったつもりだが、帝にはその今にも泣き出しそうな声は哀願のようにしか聞こえない。
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