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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
 生まれて数ヶ月で亡くなった妹のせいか、相模は公子が何故か妹のように思えてならない。女のくせに学問好きで、おまけに虫に並々ならぬ愛着と興味を抱いている。当時、女人には漢学などの難しい学問は不要という考え方が主流であった。それなのに、公子は唐渡りの分厚い漢籍を苦もなく実にすらすらと読みこなす。
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