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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第6章 伍の巻
公之が請うので、公子もまた琴をつま弾く。しかし、公子は正直、琴が得意ではない。何しろ、ろくに練習もしたことがないのだから、上手く弾けないのも無理はない。ここに来て、時折公之が教えてくれるようになり、それでもまだ以前よりは少しは上達したのだ。
どうやら公之は武芸の他に楽器もたしなむらしい。琴の腕前もかなりのもののようであった。もっとも男性が琴を弾くことは殆どない。公子もただ一度だけ、お手本にと公之が初歩の練習曲を弾いたのを耳にしたことがあるだけだ。
どうやら公之は武芸の他に楽器もたしなむらしい。琴の腕前もかなりのもののようであった。もっとも男性が琴を弾くことは殆どない。公子もただ一度だけ、お手本にと公之が初歩の練習曲を弾いたのを耳にしたことがあるだけだ。