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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
 その点、公子は自分に学があることを格別にひけらかしたりはないし、そのせいで、良人を蔑ろにすることはない。
 だが。
「ね、可愛いでしょう?」
 と、相模に同意を求めるように微笑む公子の大の虫好きは―やはり、困りものかもしれない。
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