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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
 とはいえ、公子には血の繋がった叔母に当たり、幼い頃から実の娘のように可愛がられて育った。幼い頃には大宮は幼帝を伴われ、度々この屋敷にもお出ましになられたけれど、もう久しくお逢いすることもないまま刻は過ぎている。
「ここのところ、随分と気落ちしておいでとの由、私の顔をご覧になる度に、そなたに逢いたいとしきりに懐かしがられている。昨日も是非、一度、そなたを寄越して、ゆるりと積もる話などしたいものだと仰せであった」
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