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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
 優しかった叔母であった。叔母と共にこの屋敷にお渡りになった従弟の帝にはあまり良い想い出はない。顔を見れば、いつも喧嘩ばかりの幼い二人だった。そういえば、あの生意気な従弟とももう長い間、逢っていない。
 どうやら、あの頃のまま成長してしまったらしく、若き帝の風評はあまり芳しいものではなかった。
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