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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第2章 壱の巻
―ご涕泣、雨のごとし。
 最愛の女人を失った帝の悲嘆の様は、そう語られた。
 そのときばかりは、公子も暗澹とした想いに駆られたものだった。何の罪もない二人の幼子の相次ぐ死に、更にその生みの母の祐子の死。
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