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ネコの運ぶ夢
第4章 雨の日のネコ
☆☆☆
ハッと目が覚めた。いけない、居眠りしてしまっていた。
今日の家事を済ませて、ぼんやりしていたらいつの間にか眠っていたようだ。
頬に冷たい感触がある。
どういうわけか、私は泣いていた。
あれ?なんで?
そんなことより、と、慌てて時計を見ると18時を回っている。
ああ・・・良かった、まだ市ノ瀬さんが帰ってくるまでにはちょっと時間がある。
窓の外に目を向けると、いつの間に雨が降り始めたようだ。
雨音からして強めの雨の気配がする。
あれ?そう言えば・・・。
『40%かー、よし、今日は降らない方に賭ける!』
そう、市ノ瀬さんは朝に言っていなかっただろうか?傘、持っていない?
もう一度時計を見る。18時10分。
早い日はもうそろそろ駅につく頃だ。
私は跳ね起きると、市ノ瀬さんと私の傘を取って、部屋を飛び出した。
お迎えに行かなければ。
外に出ると、かなりの大ぶりだ。これでは市ノ瀬さんがお風邪を引いてしまう。
鍵をかけ、青いビニール傘を開く。
青は美鈴さんに、
普通のは俺に、
と市ノ瀬さんが選んでくれた私の青い傘。すっごくお気に入りだ。
駅までは15分程度ある。改札はひとつだが、念のため、すれ違わないように通行人に目を凝らす。大丈夫、市ノ瀬さんはいなかった。
駅につき、改札口で待つ。18時30分。
まだ・・・帰ってこない?
まだ?
まだ?
急いできたのに、なかなか来ないと、じれったくなる。
早く、早く・・・
気が焦る。ゆっくり待てば良いのだが、やっぱり早く会いたくて気忙しくなる。
「あれ?お前・・・どうしてここに?」
市ノ瀬さんが改札から現れた。
驚いたようなお顔。
「市ノ瀬さん!えっと、あの・・・音子はお傘を持って・・・って?」
私の目は市ノ瀬さんの手に釘付けになる。彼の手には大きなビニール傘が握られていた。
あれ?
市ノ瀬さんは私の視線に気づいたのか、さっとビニール傘を背中に隠すようにする。
「ありがとう・・・いやあ、ちょうど傘がぶっ壊れたので、よかったよ!」
ははは・・・とわざとらしく笑う。
嘘だ。
ハッと目が覚めた。いけない、居眠りしてしまっていた。
今日の家事を済ませて、ぼんやりしていたらいつの間にか眠っていたようだ。
頬に冷たい感触がある。
どういうわけか、私は泣いていた。
あれ?なんで?
そんなことより、と、慌てて時計を見ると18時を回っている。
ああ・・・良かった、まだ市ノ瀬さんが帰ってくるまでにはちょっと時間がある。
窓の外に目を向けると、いつの間に雨が降り始めたようだ。
雨音からして強めの雨の気配がする。
あれ?そう言えば・・・。
『40%かー、よし、今日は降らない方に賭ける!』
そう、市ノ瀬さんは朝に言っていなかっただろうか?傘、持っていない?
もう一度時計を見る。18時10分。
早い日はもうそろそろ駅につく頃だ。
私は跳ね起きると、市ノ瀬さんと私の傘を取って、部屋を飛び出した。
お迎えに行かなければ。
外に出ると、かなりの大ぶりだ。これでは市ノ瀬さんがお風邪を引いてしまう。
鍵をかけ、青いビニール傘を開く。
青は美鈴さんに、
普通のは俺に、
と市ノ瀬さんが選んでくれた私の青い傘。すっごくお気に入りだ。
駅までは15分程度ある。改札はひとつだが、念のため、すれ違わないように通行人に目を凝らす。大丈夫、市ノ瀬さんはいなかった。
駅につき、改札口で待つ。18時30分。
まだ・・・帰ってこない?
まだ?
まだ?
急いできたのに、なかなか来ないと、じれったくなる。
早く、早く・・・
気が焦る。ゆっくり待てば良いのだが、やっぱり早く会いたくて気忙しくなる。
「あれ?お前・・・どうしてここに?」
市ノ瀬さんが改札から現れた。
驚いたようなお顔。
「市ノ瀬さん!えっと、あの・・・音子はお傘を持って・・・って?」
私の目は市ノ瀬さんの手に釘付けになる。彼の手には大きなビニール傘が握られていた。
あれ?
市ノ瀬さんは私の視線に気づいたのか、さっとビニール傘を背中に隠すようにする。
「ありがとう・・・いやあ、ちょうど傘がぶっ壊れたので、よかったよ!」
ははは・・・とわざとらしく笑う。
嘘だ。