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誰にも言えない!
第2章 初めての演習室
・・・・・・・
(先生はあんなに早く解いてたのに…)
なかなか解けない
解き方は分かっているのに
何故か答えが合わず何度も解きなおしていた
私が問題を解き始めてしばらくしたころ…
「どう?解けるか?」
(――!!!)
先生の低くて優しい声が
私の耳元で聞こえた
どうやら私があまりにも集中して解いていたから
先生が自分の机を立って
私の後ろに来ていたのに気づかなかったらしい
「―っえ、えっと、答が合わなくて…」
あまりの声の近さに動揺を隠せない
先生は少し考えてから
ノートを指差して間違いを指摘する
(…うわぁ)
先生が手を紙に伸ばすと
自然と後ろから包み込まれるような体勢になる
声も近くて吐息が私の髪にかかってドキドキした
(先生なのにっ、
先生は教えてくれてるだけなんだから…)
そう自分に言い聞かせても
胸の高鳴りはおさまりそうになかった

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