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誰にも言えない!
第1章 始まりは…

キーンコーンカーンコーン…
「はぁ…」
また始まってしまった
退屈な毎日
何時ものように
机に突っ伏してため息をつく
私の名前は『竹内七海』
新学期が始まり、私は高校三年生になった
私は県内でも有数の進学校に通っており
これから激動の受験生生活が送られるはず
それを覚悟しながら憂鬱な気分になっていた
「まーたため息ついて!
そんなんだから七海には男ができないの!」
そう言って机の前に立ち
私の頭を鷲掴みするのは
同じクラスになった『早川文香』
文香とは一年生の時から仲良しで
彼氏もいて生活がとても充実しているようだ
私はというと…
彼氏なんて生まれてこのかた
できたことは一度もない
友達はたくさんいるから
と思っていたけどやっぱり寂しいもので…
「ため息つくのやめてもできないの彼氏なんて!」
そう言いながら私の頭にのせられた文香の手を
これでもかと強く握りしめる
「いぃいたいいたい!
ごめんごめんっ、そんなに怒らないで」
怒らせることを言うからだという反論を
喉の奥で飲み込む
「あっ!そうそう!
そーいえば新しく着任した先生の中に
若くてかっこいい先生いたよね!」
「えー?そーだっけ?」
文香は今日の着任式での事を言っているんだろうけど
私は目が悪くて先生の顔もはっきり見えていなかった
「そういうかっこいい人に
興味がないとこも敗因よね…」
ボソッと呟いた文香の言葉を聞き逃さず
私はもう一度文香の手を強く握った
「あーごめんって!」
笑いながら言う文香
確かに、文香の言うことは正しいのかもしれない
世に言うイケメンと呼ばれる人を見て
かっこいいとは思うけど近づこうとは
したこともなかったし
その人と仲良くなろうなんて
考えたこともなかった
少しは関心を持って
目を光らせるのもいいのかもしれない
そう思った私は
その先生について詳しく聞いてみることにした

