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“男と女”の小噺集
第1章

第65話 『ドリンク剤』
大学受験を前に、インフルエンザで学校を休んで3日目、徐々に体調が戻って来た時だった。
テレビでイチローの、ドリンク剤のCMが流れた。
「風邪で弱った体に……」
とか言っていたので、隣で観ていた母親に
「母ちゃん、俺にもなんか高いドリンク剤買ってきて。近くのコンビニでも売ってるから」
と頼んだ。
「しょうがないわね……」
母親が帰ってきた。
「ほら、高いやつ買ってきたわよ。お父さんが『これ効くわ』って言って、いつも飲んでるやつ」
母親が差し出す物を見た。
『凄十』だった……。
(いや、母ちゃん、違うから、これ、効用が違うから……てか、まだしてるのか……)
完
大学受験を前に、インフルエンザで学校を休んで3日目、徐々に体調が戻って来た時だった。
テレビでイチローの、ドリンク剤のCMが流れた。
「風邪で弱った体に……」
とか言っていたので、隣で観ていた母親に
「母ちゃん、俺にもなんか高いドリンク剤買ってきて。近くのコンビニでも売ってるから」
と頼んだ。
「しょうがないわね……」
母親が帰ってきた。
「ほら、高いやつ買ってきたわよ。お父さんが『これ効くわ』って言って、いつも飲んでるやつ」
母親が差し出す物を見た。
『凄十』だった……。
(いや、母ちゃん、違うから、これ、効用が違うから……てか、まだしてるのか……)
完

