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愛しのバニー~Bad Romance~
第3章 うさぎ 2
人影の身長から、友人の兄であるとわかった。

兄は半ズボンを太ももまでずり下ろし、
私を見下ろしながら自分のものを扱いていた。

私の視線に気づくと、
さっと隙間から消えた。

うさぎは目を閉じて、
兄の残像をまぶたの裏に映した。

兄の切なそうな表情を思い出しながら、
うさぎは友人の父親の舌で、初めてのオーガズムを覚えた。

背骨が勝手に弓なりに反って
顎が跳ねあがり、全身が震えた。

体の奥に
アリジゴクのような深い渦がぽっかりと口を開いて、
そこに落ちていく自分の幻影が浮かんだ。

浮遊しながら落下するその感覚が、
死ぬのではないかと思うくらいに気持ちいい。

生まれて初めてのエクスタシーだった。

自分の頬が快楽に微笑むのを感じながら
天国と地獄は同じところにあるのだと思った。


「私はいままで、
何度誰としても満たされなかったんです。

だから、いつか体の底から気持ちよく感じられる時が来ると信じて、
貪るようにいろんな人たちとエッチしました。

それでも私の不満は募るばかりで。

次から次へと素人の男性と出会うのにも疲れてしまった私は、
ヘルス嬢としてピーチの控室で男のひとを待つようになりました。

それであるとき、急に、
中学二年のときのその記憶がはっきり蘇って、
あの時の初体験が、
私のセックス観に大きく影響していることが解りました。

私には奇妙な性癖があることに気が付いたんです。
私、年上の男性とエッチしているところを誰かに見られながらいきたいんだ・・・って。


私の性癖に深く根差しているものの正体が分かったから、
もうこれ以上あそこで働いて、
むやみにいろんな人に体を触らせる必要もないんです。

だからピーチにはもういきません。」

うさぎは吐き出すように一気に打ち明けた。
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